アメリカ人の消費活動

さて、アメリカでもニュースなどでは労働市場はすでに冷え込み、経済は弱体化しているということを見たり聞いたりもしていますが、先週買い物に出かけた時には、アメリカ経済というかアメリカ消費者はそうとは思えないっていうのがお買い物している私の正直な感想です。アメリカの経済指標の一つとも言えるアメリカのGDPですが、実はアメリカ人の消費パワー、購買パワーがその約7割を占めているとも言われているので、こうして実際にアメリカ人の消費活動を見るのは結構役立ったりもするわけです。

8月20日、月曜日にガソリンを入れに向かったコスコは駐車場もいっぱいでコスコの中にも買い物客でいっぱいでした。もしかしたら火曜日から新学期だったから偶然学校が始まる前ということで、家族連れの買い物客が多かっただけなのか、と自分でも冷静に観察していましたが、どうもそうとも見えないというか、ショッピングカートの中には日常生活に必要なものがたくさん入っているし、別に子供連れの買い物客ばかりというわけではなかったのです。
私は夏休み最後の日だったので娘と一緒だったのですが、思わず娘に「今日って月曜日だよね」って確認したほどの人手でした。

コスコは日本ではコストコと呼ばれていて、ご存知の皆さんも多いでしょうが会員制のホールセールのお店で、お店が倉庫のような形式をとっています。我が家もずっと昔から利用しているお店の一つで、もちろん株も所有しています。今までは入り口に従業員が立って会員証の確認をしていましたが、今は会員証のバーコードで本人確認ができるようになっていました。そこに立っていた従業員と立ち話をしたのですが会員証の悪用が多いから、それを取り締まるために始めたんだよって言ってました。「ふむふむ、ということは会員証の悪用も減少するからいいんじゃないの」と、この企業に投資をしている私は思ったわけです。


アメリカでは小売業での万引きも割と大きな問題でお店の売り上げに影響を与えます。でもコスコはこうして、入店前に本人確認がある上、お店を出る時にもレシートを提示して従業員がショッピングカートの中身とレシートを確認するので、そういった万引きの心配もないです。これはコスコ昔からずっとやっていることです。ウォルマートでは会員証は必要ないですが、ここ数年でお店を出る時にコスコと同じように従業員がレシートとショッピングカートの中身を確認するようになっています。

そして娘のメイクアップ商品をみるために、こちらの女性には割と人気なTJマックスという、ブランド品を安い値段で販売しているお店があるのですが、そこへ行ってきました。TJマックスとマーシャルズはTJXを親会社とする姉妹店で、男性用、女性用、子供用のブランドアパレルや靴、おもちゃ、バス、美容製品、アクセサリー、ジュエリー、小さな家具やインテリアの小物、そして家庭用品や台所用品に至るまで色々なものを販売しています。あとアパレルは販売していないですが​​家具、インテリア、そして家庭用品などを中心に同じような小売の展開をしているのがホームグッズ。こちらは私の好きなお店の一つでTJXを親会社としています。もちろん、TJXの株も持っていましたが、今回高値を更新した時に売却しました。

でも、最近またお店の様子を見て、うーんまだ持っていてもよかったかなとも思いました。このTJマックスのお店もホームグッズのお店も本当にいつ行っても人が多いです。一年を通して特に感謝祭あたりからはクリスマスにかけてここでクリスマスプレゼントの買い物を済ませる女性客が多いせいか、朝一番で出かけないとレジの行列には驚くほどになります。で、先週行った時も案の定人はいっぱい。全てのレジに従業員がいるのですが、それでも長蛇の列です。この様子を見て私はつい、この列にならんでいる人たちにはクレジットカードの負債がある人たちなのかしら、それともそういうのには関係のない人たちなのかしらって思いました。このTJX系のお店はとにかく欲しいものがあったら買っておかなければ、次に行った時にはものがない、といった具合でとにかく回転が早いです。これは在庫の回転が早いということだし、オンラインショッピングが主流になりつつあるこのアメリカで実店舗でもいつもこんなに人が多いのは、成功してるってことよねとつい投資家目線で見てしまいます。

次に出かけたのがメイシーズ。アメリカの老舗大手デパートです。ここは別に買い物なかったのですが、TJX社と比較するために行ってきました。人がいない。とにかく人がいない。従業員もいないけど、買い物客も少ない。買い物客が少ないのに、レジの前には列ができているっていうのは、これは接客の問題か、労働力減少、従業員の数が足りないということか、どっちなんだと思いながらグルっとお店を回ってきました。とにかく閑散としています。もうデパートはこういったbrick and mortar ​​つまり実店舗事業っていうのは難しいのかしらとも思ったり。以前CNBCのインタビューでメイシーズのCEOがオンラインビジネスの成功のことを強調していて、売り上げの出ていない実店舗を閉鎖していることなども話していたのを思い出しましたが、まぁこれだけ実店舗に人が少なかったらそれも考えるわよねぇと思いました。そしてすぐ近くにあるアウトレットにも市場調査に出かけたのですが、ここはまぁまぁの人。平日ですが、割と駐車場は混んでていて、お店によっては人がいっぱいだったり、全く人がいなかったり。空き店舗のお店もありました。

更に平日学校が始まってから、クラスで必要なものを買い足すために学校が終わった午後4時にターゲットへ出かけたのですが、こちらは普段自分がいくターゲットではない反対方向にある別のターゲットです。でもここでも人の多さに驚きました。別に週末というわけでもなく、平日の午後4時なのに、どうして人が多いのと思ったくらいです。

こういったアメリカの消費者の様子を見ていると私でさえ、アメリカは本当に景気が悪くなっているのか、と首をひねりたくなります。この消費活動が未だ活発な現象は、果たしてこの周辺だけなのか、それとも負債が増えても気にしない国民性でみんな未だに消費活動に積極的なのか、だからアメリカ政府もあんなに負債があっても大丈夫なのかって、日本人の私はただ首をひねるだけです。正直、アメリカで暮らしている私にもよくわかりません。カリフォルニア州は比較的家賃値上げの法律が厳しいですが、州によっては極端に家賃が値上がりしているところもあるだろうし、あと家や車の保険の値上がりについては割と多くの州でも問題になっています。余談ですが、私が住んでいる地域は固定資産税の値下がりがあって、これは一つやれやれでした。

さて、このアメリカ経済を支える消費活動に欠かせなくなるのが、実際にものを運んできてくれるコンテナ、海運になるわけですが、実際私が時々興味半分で読むBIMCOのレポートでも(ビムコは和名がボルチック国際海運協議会と言うようで、最も大きな国際海運協会の1つです​​)言われていたのが、過去1年間紅海での混乱など新たな問題が浮上したにもかかわらず、サプライチェーンの状況は2021年と2022年に悪化した状態と比較して劇的に改善されたままで、海運価格が回復し、遅延や不足の発生率が小さく、コンテナ、海運マーケットを見ても船舶の需要は2024年は非常に急速に増加しているということが書かれています。そして全体として、2024年は2023年よりもはるかに強い需要と供給のバランスが見られているということ、が書かれてありました。紅海問題は結構騒がれていたのでコスト増加の問題はあるかもしれませんが、それが荷主側で処理できるレベルなのか、消費者側に回ってくるのかは、わからないですよね。

そしてもう一つ目を引いたことが、アメリカとEUのインフレ率と金利が予想通りに下がらなければ、消費者や企業が苦しむ可能性が高く、その結果、数量が減少するかもしれないという懸念が書かれてありました。今のところ、インフレ率も落ち着いてきているし、先日のパウエルさんのお話しでは金利の引き下げも「The time has come 時は来た」とも言っているので、この部分は心配しなくても大丈夫なのかなとも思ったり。

ただビムコの報告書には2025年には需要が弱まるともありました。

シカゴ連銀の出している独自の報告書でCARTSというものがありますが、これは自動車の部品を除く小売や食品のセールがアメリカ全土でどんな感じかをお知らせしてくれるものなのですが、このグラフを見るとわかるように、小売はやはり順調に伸びています。

でも、フィラデルフィア連銀は地域の、つまり第3連邦準備区では8月製造業事業見通し調査​​で指標が減少を表しています。

で、現在のアメリカマーケットはというと私の印象では全体的にこちらで流れるニュースのホストやゲストの様子を見ると、労働マーケットの心配はしているもののまだ割と楽観的な印象もあり、長期的には企業の成長率に自信を持っているようにも見えます。マーケットウォッチによれば企業の収益は年間7%くらい増加していて、ここ1年ではアメリカのマーケットは31.3倍のPE ratioだそうですが、これは過去3年に比べてちょっと高めの割合です。

さて、今日は自分が回ってきた小売のお店の様子からビムコの報告書、そして現在のマーケットなどをお伝えしましたが、世の中は繋がっていて、同時に経済も繋がっていて本当に面白いですよね。でも私は基本予想はしないから、こうやって調べて楽しむだけです。こんな状況を見て、みなさんはどんなふうに投資戦略を考えますか?私はただ単純に思ったよりも伸びた株に関しては売って、そのお金を今はプールしていたり、あとは先日のように結構下がった時には長期用と思っているものに関しては、自分が希望していた額まで下がっている株を黙々と買い増ししているだけです。あとすでに金利はこれから下がるだろうなとは思っていたので、もう先に利回りのいいCDを探して固定金利で3年追加で入れました。

アメリカ在住の皆様も日本在住の皆様も、近い将来のわからないことを心配するよりも、どんな状況になってもその時できることをしながら、一緒に資産を伸ばしていきましょう。


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