雇用の闇 ゴーストジョブ

ゴーストジョブと言う言葉を皆さんは聞いたことがありますか?

これはここ数年アメリカ企業が起こしている問題の一つでもあるのですが、そのせいで労働市場に少なからず影響も与えている問題でもあります。実際、私の夫も前にリストラにあった時に、人事と面接を一回しただけで終わったものがありましたが、あれは多分ゴーストジョブと呼ばれるものだったんだろうなと思いました。今日は夫や私の友人の夫達に実際にあったことをまじえて労働市場に少なからず影響もあるだろうゴーストジョブとは何かをお話しします。


企業は色々な理由からゴーストジョブ(直訳すると幽霊仕事ですが)、実態のない求人とでも言いましょうか、実際には求人をしていないのに、あたかも求人をしていると見せかけるオンラインでの求人募集の広告を載せます。企業側は最終的には誰かを雇いたい、つまりその空きのあるポジションに誰かを雇いたいと考えてはいますが、決して急いでいるわけではなく「まぁ良い人材が見つかれば埋めてもいいかな」くらいの考えで求人募集を出しているようです。大企業となると恐らく企業要員の人数を埋めるためだったり、あとは雇用が凍結されている場合は、凍結がなくなったらすぐにでも優秀な人員が欲しいので履歴書リストを集めておくためとも考えられています。

CBSニュースによると、こういった求人広告はオンラインで急増していて、実際には存在していないのに、あたかも空きポジションがあるように求人を掲載することを認める企業が増えているそうです。会社が成長しているという錯覚を作り出したり、データを収集したりするために、意図的に求人広告を求人会社のウェブサイトに残したりしているそうです。

2024年の5月に大手のキャリアサイトResume Builderが650人の採用マネージャーを対象とした調査によると、企業の40%が今年ゴーストジョブを掲載したと答えています。調査報告によると、現在、10社に3社がサイトや求人会社のプラットホームにゴーストジョブと呼ばれる求人を掲載していて、採用マネージャーの10人に7人は、この慣行は道徳的に受け入れられ、ビジネスにとって有益であると信じていると言っているそうです。でもこれ、仕事を探している側の人間にとっては、本当に時間の無駄で精神的にもきついですよね。しかも求人を載せていることで、職場ですでに働いている人には「求人情報を出しているけど、なかなか良い人材が見つからない」という言い訳もできて過剰な仕事をそのまま既存の人員でやり遂げさせようとすることもできます。CBSニュースによると、調査対象の企業の約60%は、履歴書を集めて保管し、すぐに誰かを雇うつもりはないと答えたそうです。今実際にアメリカで職探しをしている人が、気を付けることとして、数か月など、長期間にわたってある求人広告はあまり信用ができないこと。あと求人ポジションの給与範囲が広すぎる場合、それは会社がそのポジションを埋めることに真剣ではないことを示す可能性もあると言うことだそうですよ。

現在、アメリカ企業の中で増えていると言われるゴーストジョブは、実態のない求人募集の数になるわけですが、でも実際に求人募集の数値としては扱われるわけですから、FRBの皆さんにとってもなかなか悩ましいところでもあると思います。その数が実際にはどれくらいあるのかもわからないし、インフレと労働市場の安定、雇用の最大化を目指していて、雇用市場のデーターを重要視しているFRBにとってはなかなか悩ましく、私達にとっては今までのように指標をフォローするのが難しい雇用マーケットですよね。

少し記事が古いですが、BBCの3月の記事によると、アメリカの大手でビジネスの雇用と情報に焦点を当てたプラットフォームを運営する会社でリンクトインという企業があるのですが(ビジネス用フェイスブックみたいな感じだと想像していただければわかりやすいと思います)そのプラットフォームだけで170万件以上のゴーストジョブもしくは疑わしい求人情報を見つけたと言う報告があると書かれていました。そしてニューヨークを拠点とするビジネスローンプロバイダーであるClarify Capitalは、1,000人の採用マネージャーを調査したところ、10件中7件の求人が30日以上そのままにしていて、10%が半年以上未就の状態であることがわかったということです。回答者の半数は、「常に新しい人を探している」ため、求人情報を無期限に開いたままにしていると報告したそうです。回答者の3人に1人が、すぐに空いているポジションを埋める必要があるわけではなく、誰かが離職した時にリストがすぐに上がるように応募者の履歴書を保管していると答えたそうです。そして人事のマネージャーの40%以上は、企業が成長しているという印象を与えるために、そういった求人情報を載せていると答えたそうです。さらに調査ではゴーストジョブを投稿する企業の85%が実際にそれらの役割の候補者を面接していることがわかったそうです。

これを知って、私は「なぬ〜」と思いましたよ。だって私の夫を含めて探している方にとっては、採用するつもりがないのに面接までされるわけだから本当に迷惑以外の何ものでもないし、それに面接を受けて採用されなかった時のダメージってやっぱり本人には辛いですからね。我が家はまぁ一応資産があるので、リストラされた時に夫にはもうリタイアしたら、なんとかなるんじゃないとは言ったのですが、決めるのは本人だし。

実際私の夫が職探しをしていた間でも、同じ企業が同じジョブタイトルで半年以上掲載しているものを何度か見たとも言っています。そして私の友達の夫が5年くらい前ですが解雇に会った時に、夫の務める会社の人事に空きのポジションがないかどうか聞いてみてよと言ったら、夫の会社は通常ポジションは内部から補充するけど、見栄えのために外部にも出しているから採用はあるように見えても、外部からは採用されないと思うよと言われました。

以前にもお話ししたことがありますが、アメリカは別に景気関係なく企業の業績によってもリストラが普通にあります。しかもある朝突然くるものだから、だからこそ会社の収入一つに頼ることは怖いことなのです。アメリカ在住の皆さん、自分の身を守るため、家族を守るためにも投資はしましょう。そしてもしもリストラに万が一あったら、ショックだとは思いますが、絶対にseverance packageの交渉をしてください。これはダメもとです。人事に言われるがままの解雇の時にもらえる条件を受け取らずに、例え半月分でも増額されればラッキーなわけですから。我が家の夫も、夫の同僚もしました。我が家は最初の解雇の条件より更に1ヶ月分の健康保険と給与を余分にもらえたので、ラッキーでした。よし、これで1ヶ月余裕ができた、やった〜って思いましたからねぇ。

私の他の友達の夫もリストラにあい、仕事を探していた時に、ゴーストジョブのことを言っていました。自分はその求人の適正に全て当てはまるのに、何の連絡もこない上、まだ同じ企業で同じ求人を日付を変更して出している、と。そして仕事をもらうまでインタビューにかかる期間が昔に比べて長くなっているとも。友達の夫は解雇にあってから半年くらい仕事を探していましたが、昔はインタビューがまずは仕事を斡旋してくれる求人会社の担当者、そして求人を出している会社の人事、それから直属のボスくらいで終わっていたのに、今はそれにさらに営業チームとインタビュー、それから直属のボス、そして他の部署のトップに何人かの経営陣といった具合で、中小企業なのに朝から夕方までの面接が2日間に渡ってされて合計十人以上の人に会ったとも言っていました。ゴーストジョブも増えている上、面接も複雑になっているので、今の職探しは大変なようです。だからこそ、主婦の皆さん、そうでない皆さんも投資をして家計に何かあった時に少しでも役立つ準備、安心できる将来をむかえる準備をしておくのです。

雇用の調査で、JOLTSが出すデーターなどで、求人が少しずつスローダウンしていることを懸念されている方もいるでしょうが、こちらのセントルイス連銀からのグラフを見ていただくと2000年から比較するとまだそんなに心配されるほどの減少でもないです。

ただ、この中でどのくらいゴーストジョブがあるのかはわからないですよね。


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