今日は4月のマーケットで皆さんが経験したボラティリティのことについてチャールズシュワブからのポッドキャストが面白かったので、その内容をシェアします。
我が家は証券口座をいくつか持っていて主な取引は3っつの証券会社を使っていますが、チャールズシュワブは我が家が利用している証券会社の一つで私が1996年にアメリカで401k、企業型確定拠出年金制度を利用して初めて株を買った証券会社です。
さて、ボラティリティ。
ボラティリティは一般的に価格変動の度合いを示す言葉で、「ボラティリティーが大きい」とはその商品の価格変動が大きいことを意味します。株価が上に大きく動いたり下へ大きく動いたりすることですが、株価の場合は下に大きく動く時にはみんなに一斉に注目されますが、上に向かう時は注目されるというよりも、嬉しい驚きといった具合です。
下に大きく動く時は、今回のように経済アナリストの方や金融関係者の方たちが弱気相場について話しあいを始めます。
歴史的に見るとアメリカのマーケットはいつも反発していて、通常は回復して強気相場は弱気相場よりも長く続く傾向があります。でも大体にして、弱気相場にいる時は、私達はみんな人間の持つ損失回避という性質のために、ひどく怖がり、中には痛い目にあったりもします。損失回避という私達が持つ性質は以前にもお話ししましたが、人間は利益の喜びよりも損失の痛みの方が強く感じ、損を避けるために合理的な行動、つまりチャンスを捨てたり行動しないという選択を取ったり、後は変化によるリスクを嫌って現状を維持しようとすることですが、そういった特徴的な行動をとることです。
簡単に言えば損をするくらいなら、得を諦める人間の性質というところでしょうか。
暴落が起こると、こういった損失回避の感情がパニック売りを引き起こしてしまい、自分の行動が長期的な目標にあっていないとしても、売ってしまったりすることが投資の世界にはあります。
そしてこういった暴落や弱気相場でよく聞かれる言葉は「今回は違う」です。
これは私の尊敬する伝説のファンドマネージャーとも呼ばれるピーターリンチさんも、以前のPBSのインタビューで、「今回は違うとか今回は逃れられない」という言葉に対して、マーケットの周期的な性質と、不況の間に恐怖に負けてしまうことの危険性について説明しています。リンチさんは、それぞれの不況には独自の特徴があるけれども、包括的なパターンは一貫していて、回復は経済サイクルの自然な部分であるとも指摘していました。
そこで今日は我が家が利用しているチャールズシュワブのシュワブ金融研究センターに勤め、シュワブのウェルスマネージメントディレクターでもあるスーザンハーシュマンさんがボラティリティの時の行動についてお話しされていた内容を紹介したいと思います。日本で投資を始められた方に是非参考にしていただきたいと思っていますが、彼女の話はもう長く投資をされている方にも再確認できる内容だと思っています。
彼女はCFPでもあり、そしてチャールズシュワブで長年に渡って多くの金融資産を持つ人々のアドバイザーとしても働いているそうです。インタビュー形式で行われた会話なのですが、インタビュアーが経験豊富な投資家であっても、マーケットの低迷に強い感情を引き起こされる理由を聞いていました。
その質問に対して彼女は私達の脳の配線のことを説明していました。強い感情が起こるのは、私達の脳の一部辺縁系が知覚された恐怖に対して、戦うのか逃げるのかという反応をするからだそうです。
彼女はここで、市場のボラティリティは、まさに目の前にティラノサウルスが自分たちに近づいてくるようなものだと言っていました。ティラノサウルスか、それは怖いなと想像しながら私は聞いていたのですが、彼女はだからこそ衝動的な反応を起こす人々が多いと説明されていました。
彼女が言うには、ここで大事なのがこういった恐怖を感じる暴落のボラティリティの時に、歴史を振り返るとマーケットにはサイクルがあると言うことを覚えておくこと、それは何をするべきかを正確に考え始める前に理解しておかなければならないと言われていました。マーケットにいる以上ボラティリティが起こることは正常なこと、普通なことだということを理解しておくということです。
これは資産運用会社のフィデリティも同じことを言っています。
ハーシュマンさんは更にマーケットの平均年内ドローダウンは通常年間約13〜14%あって、毎年何らかの調整はほぼ確実に起きていること、そしてマーケットはある時点で14%前後は下落しても戻ってくることを言われていました。
こちらのグラフはJPモルガンからのものですが、マーケットのリターンが良かった年でもドローダウンがあるのが見えて分かりやすいかなと思ってお借りしました。

ハーシュマンさんは投資をする人が取るべき実用的なステップは、まず自分自身への問いだそうです。それは自分の目標を確認して「長期的な目標を達成できるか」と自分に言い聞かせて長期的な目標を達成するためには今日取る行動は何かを考えることだと言われてました。
彼女は何らかの行動を起こす前に、目標を達成できるかどうかを先ず考えて、達成できる場合は深呼吸して自分のポートフォリオが自分のリスク許容度と一致しているかどうかを考えてくださいと言われていました。マーケットのボラティリティのせいで睡眠不足になるようであれば、もう少し保守的なアプローチをとることを勧めていました。
可能な限り避けたいことは、現在の自分の恐怖を手放すために、安い値段で資産を売却してしまうことです。
彼女はインタビューの中で世界金融危機、日本ではいわゆるリーマンショックと呼ばれる時のことも話していて、この時損失にパニックになった人々が市場の底近くで売却して、マーケットが回復するまで多くの人が戻って来なかったためにこういった人達は損失を固定して利益を逃すことになったと言われていました。これはフィデリティが実際に調査をした報告書にも現れています。
ハーシュマンさんはコントロールの感覚を取り戻すことが大事で、私達がやろうとしていることは長期的な資産運用としての投資であることを思い出すと、そうすれば短期的に乗り越える必要があることも理解できると言われていました。
まぁでもなかなか難しいのでしょうね、現に我が家の息子は今回の暴落では動けず、結局売りもしなかったけれども買いもしなかったようですから。
そんな息子に私はこの本を読みなさい、と勧めたのがサイコロジーオブマネー。

この本の中では悲観論が注目されやすい理由もわかりやすく書いてあるので、投資を始めたばかりの方には参考になると思います。次に下へ大きく向かうボラティリティが来る前に、是非一度読んでみてください。
ハーシュマンさんは不安定なマーケットの時に見られるいくつかのバイアス、思考の偏りも話されていて、そのうちの一つはaction biasです。アクションバイアスとは動いていることにこそ価値がみられるという心理的な傾向なのですが、マーケットが不安定なので、何かをしなければならないと感じ、合理的には考えずについ何かアクションを起こしてしまうバイアスです。アクションを起こすことによって何かをしたという安心感を得ることができる人の持つ思考の偏りだそうです。
ハーシュマンさんは、ここで私はクスッと笑いましたが、砂の中に頭を埋めて全てを無視することも大事だと。putting your head in the sand 日本語で言うところの、つまり「現実からは目を背ける」といったところでしょうか。
あと、recency biasのことも説明されていたのですが、このrecency biasは日本語では直近バイアスとでも言うのでしょうか、最近のことだけが記憶に強く残り、それが全体の傾向だと思ってしまうバイアスのことです。例えば株価が上昇相場にいるときに、このまま上がり続けると信じたり、急に下落するとパニックになったりするのは、直近の動きだけで未来を予測すると言う現象で、実際には株価は上がったり下がったりを繰り返しているわけですが、こういった動きを読み取れなくなる偏見のことを説明されていました。
あとはconfirmation bias。これはメディアのことを言われているのですが、今のメディアがちょうどその状態で、ニュースは人々の恐怖を肯定することに焦点を当てていると言われていました。確かに私も経済ニュースをよく読みますが、しばらくニュースばかりを読んでいて、外出しないと頭の中でこれから先の政治や経済はどうなるんだろうって考えたりもして、でも買い物で外出したりすると、南カリフォルニア独特なのかもしれないのですが、買い物客が元気よく買い物している姿を見ると、あれ?って思うことが割とあります。
メディアの多くはまるでアファメーションのように人々に恐怖を植え付けるので、これに対応するにはメディアダイエットをお勧めしていました。このメディアダイエットは私もしますが、しばらくメディアからは遠ざかることです。一歩退き、深呼吸をして、自分のプランに戻る。私たちは皆人間なので、完璧に無視することは難しいですが、でもその影響を少し鈍らせることもできます。
私も時々現地の様子をお伝えしていますが、私の情報も私というフィルターがかかったごく一個人の意見ですから、「参考程度耳半分」の軽い気持ちで捉えてください。
あと弱気相場にみられるherding bias。これは群れのメンタルのことです。投資の場合は、他の投資家が行っていることをコピーする投資家のメンタルをさしていますが、彼女はこのことを子供時代に母親がよく使う言葉を例に出して説明していました。
子供の頃母親に、あなたはみんなが橋から飛び降りるからといって、橋から飛び降りたりはしないでしょう、と。私も子供達に使っていたので、笑いながら聞いていました。特に上の息子に「あなたは皆んなが崖から飛び降りるからって、飛び降りたりはしないでしょう」って言ってましたね〜。母親の皆さんだったら、あるあるじゃないですか?
周りにいるみんながしている行動だからといって、する必要はないと言うことですが、この群れのメンタルは投資だけではなく色々なところでも言えますよね。
恐怖や不安は皆が感じていることで、この感情を持つことは投資をしている誰もが感じる普通のことなのだと先ずは認識することです。そして、橋から飛び降りるのか、飛び降りないのか、自分には選択肢があることを覚えておいて、長期の目標に固執します。
投資をしていて、おもしろいところは、こういった人間の性質や人間の持つバイアスなども一緒に学べることです。特にFRB議長の発言や最近ではトランプ大統領やベッセント財務長官が何かを発表する時などは、同時に株価を見ていると面白いくらいマーケットが反応するので、本当に人の心理で動いているのだなということがよく分かります。
個別株をしている時もそうです。人の期待値や失望感で株価は動くし、あと最近では人気投票かなと思えることも多いですよね。
ではボラティリティで起こるバイアスをしっかり覚えておきながらこれからも長期で、私が言う長期は長く投資を続けると言う意味ですが、一緒に投資を楽しみましょう。人によってはアメリカ株だけではなく、日本株、新興国、ヨーロッパ、不動産、FX、短期、スィングと色々な投資方法や投資先がありますが、何処に何を投資をするにしても自分で決めたことだということを忘れずに、心のゆとりを持って一緒に投資を楽しんで行けたらいいなぁと思っています。
私は経済を知ることも好きで経済を追うと政治も関係してくるので、政治にも世界の動きにも関心を持つようになります。ニュースを読んだり聞いたりするのは、色々な世の中の動きを知ることもできて楽しいし勉強にもなり知識も増えるし、自分が昨日よりは少し賢くなったと思えます。でも、ここで忘れないでいただきたいのは、予測はあくまでも予測であること。私たちが投資をしている理由は、なんのためかと思い出すこと。賢くなるためなのか、資産を増やすためなのか。私は、お金も緑も増やすことが好きなので、私の投資の目的は賢くなるためではなくて、資産を増やすことです。次に大きな下落が来た時に行動をとる前に、自分は資産を増やすために投資をしているのか、どうかを確認してください。株式を売るにしても、そのままでいても、買うにしても、全ての行動は自分の責任にあるということを忘れないでいてください。
ポチをする自分の指は誰かに動かされて押している訳ではなく、自分の意思で押しているわけですから。
Happy investing!
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